電源配線の設計はオフィスづくりに際しての重要な項目の一つですが、LAN配線や電話回線に比べ身近な印象があるためか、比較的見落とされがちです。
オフィスを移転してから「失敗した!!」なんてことのないよう、確認が必要な事項を簡単にご紹介させて頂きます。
◎オフィスで必要な電気容量とテナントの最大アンペア
まずはオフィス内で必要となる電気容量がどれくらいになるのか、おおまかにも把握しておく必要があります。事務所などでよく使用される電気機器の消費アンペアをまとめましたので参考にしてください。
必要な電気容量を確認した上で、テナントの最大アンペア数を調べましょう。
分電盤の記載で確認ができますが、念のため仲介業者やオーナーに確認するのが良いかと思います。
稀に倉庫で利用されていた場所などでは、十分に電気容量がない場合がありますので要注意です。
分電盤とは
分電盤(ぶんでんばん)とは電気を安全に使用するために必要な漏電遮断器(漏電ブレーカー)や配線用遮断器(安全ブレーカー)を1つにまとめた箱のことである。
wikipediaより引用
特に電子レンジや電気ポットなど熱を発する機器は、多くの電気を使います。
冬場に従業員個人が電気ヒーター等を利用することがある場合。最大時の容量で計算しましょう。
最近は手軽に購入できる小型の足元用暖房器具がある為、特に女性が多い職場では実はこっそり使っている!?なんてケースもあります。
◎オフィスの電気回路と壁のコンセント
合計電気容量に問題がないことが確認できたら、次はそれぞれの電気機器を繋ぐ回路を検討する必要があります。
オフィスビルなどでは、ブレーカーが落ちた際に全ての電気機器が利用できなくなることのないよう、分電盤によりいくつかの回路に分けられています。
一つの回路は通常20Aですので、それを超えないように設計する必要があります。
移転後には改善しにくい為、電源回路の設計は、先を見越して計算しておくことが大切です。
壁にあるコンセントも何ヶ所かのコンセントがまとめて一つの回路となっていますので、別の場所のコンセントなら大丈夫、という訳ではないので要注意です。
どのコンセントがどの回路になっているかは、分電盤に記載があることもありますが、確実なのは分電盤の回路スイッチを入り切りして試してみることです。
◎空き回路と配線の方法
分電盤には、どの機器やコンセントにも割り当てられていない空きの回路があります。
少人数のオフィスなどでは壁のコンセントからの配線で十分な場合もありますが、通常は空き回路を利用し、テナント内に電気のケーブルを配線していくこととなります。
電気のケーブルは電話やLANと違い、カーペット下に這わせる「フラットケーブル」がありません。もちろん無線もありません。
床下に配線できるOAフロアであれば問題ありませんが、そうでない場合、天井裏を配線していくのか、壁のコンセントから配線するか、壁沿いに這わせていくか…
色々な選択肢があります。
電子レンジを使うたびにパソコンの電源が落ちてしまったり、動線を横切るモールが踏まれてバキバキに割れてしまっていたり…。
そのようなことがないよう、電気の容量や配線についてもしっかりと設計をする必要があります。
移転の際だけではなく、現状のオフィスでも電気の配線でお困りの場合は、お気軽に弊社へご相談ください。
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