オフィス内装にもトレンドがあります。
2001年から2010年頃までは、「エッジ」の効いたデザインが台頭しました。IT企業の台頭により「最先端のイメージ」をエントランスデザインにも反映させ、大量に必要な求職者に「目立たせて」「覚えてもらう」ことに注力していた印象があります。エントランスデザインに於いても、西洋文化でいえばバロック建築のような派手さがあった時代ですね。
2011年から2020年頃までは、デザインがより「ナチュラル」になり「エコ」を強調するデザインが増えていきました。観葉植物やフェイクグリーンを多用し、床は木目調タイルが大人気。建材メーカーもフローリング調の塩ビシートのラインナップを増やし、需要を喚起していました。オフィスの内部に人工芝を敷き、グリーンを基調にしたリフレッシュスペースを作る企業もこの頃から増えてきました。自然の形がデザインの原型になっているアールヌーヴォー的な文化がオフィスに浸透したとも言えますね。
そしてここからは予測になりますが、2021年からの10年はモダニズム内装の時代が来ると思っています。オフィスはテレワーク等の新しい働き方に対応させ、本当に必要な機能だけを残してスリム化することが可能になりました。それと共にエントランス等のデザインも装飾を極力省き、よりシンプルになる流れが来ているようです。モダニズム建築は20世紀初め、つまり100年前から始まった文化ではありますが、シンプルゆえに飽きないデザインは現在の建築のベースになっています。
では、オフィス内装におけるモダニズムとはどういったデザインなのでしょうか。
私達の施工事例をひとつご覧ください。
お客様のロゴが良いこともあり、非常にシンプルで現代的な内装に仕上がりました。
このデザインで意識したことは
- 数種類のシンプルな建材を使い
- 表層に使う色は極力少なくし
- 光沢を抑え
- 機能的でないものを排除する
です。これによって無駄なコストや過剰な装飾が不要になり、コストも抑えることが出来ました。
派手なデザインよりも、機能重視でシンプルさを求める時代。
エントランスのデザインだけではなく、オフィスのレイアウトや機能においても「モダニズム」が台頭してくると予測しています。
もちろんトレンドに合わせたオフィス内装に限らず、私達はこれからもお客様が表現したいデザインの具現化をお手伝い致します。
一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。