エントランスの壁面デザインでオリジナリティーを重視する時、候補に上がることが多い「石」。
クロスやガラスでは表現できないような独特の雰囲気を持たせることができます。
石といっても天然石、人造石、石調タイルなど、建材には様々なタイプの製品が発売されていますが、内装の現場で使用する石材で有名なのがLIXIL社のエコカラット。
多孔質セラミックスという素材によって湿度の調整もできてしまう優れた製品です。
ここでは、これらをまとめて「石材」と呼ぶことにします。
石材は横長の短冊状の素材が組み合わさり1ユニットになっているタイプや、1枚毎に貼り合わせていくタイプがあります。
いずれのタイプを使う場合、既存の壁面にピッタリ貼るには端部を加工する必要が出てきます。
簡単にカットできるクロス等と違って、加工する際には注意点がありますので、5つ程ご紹介します。
石材施工の注意点①
消防設備、特に煙感知器は発報しないように養生してから施工しましょう。
現場でカット加工をする際、どうしても粉が舞ってしまうからです。
石材施工の注意点②
寸法調整をする箇所は、極力目に着かない場所を選択しましょう。
たとえば天井側と床側で、どちらかをカットせざる得ない場合は、床側を選びます。
床材の厚みである程度隠すことが出来ることが理由です。
他にも受付台が横長にある場合は、その下部の部分をカットすることも可能です。
石材施工の注意点③
石材の設置面に何か打ち付けたいという際、目地(石材と石材の間の部分)に打たないでください。割れてしまう可能性があるからです。
社名のサインなどを打ち付けるピンは、極力優しく、石材の中央部分に打ち込んで固定します。
石材施工の注意点④
一度貼ったら剥がさない。専用の接着材はかなり強力で、後から綺麗に剥がすことが難しいのです。
そのため、例えばセキュリティ錠のカードリーダーを取り付ける為、配線やリーダーの設置が必要な場合、事前にスペースを確保しておきましょう。
石材施工の注意点⑤
石材はどうしても凹凸があるので、設置後に埃がたまることがデメリットとして挙げられます。
その際にはハンディ掃除機で埃をそっと吸い取るか、乾燥したマイクロファイバー素材のモップなどで軽く拭き取りましょう。変色する可能性があるので水拭きは避けた方が無難です。
今回は石材をエントランスに使用していますが、執務室内や会議室内、リフレッシュルームのワンポイントとして使用することももちろん可能です。
ご移転を考えられている企業様や少し社内の雰囲気を変えたいという企業様がいらっしゃいましたらぜひご連絡下さい。
一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。