サラリーマンの勤務体系は年々変化しています。フレックスタイム制を採用している企業は増えており、自宅勤務を認める企業も増加傾向にあります。しかし、そういった企業は報道こそされるものの、実際にはごく一部に留まります。多くの人は朝出勤して定時まで会社にいるというパターンでしょう。
朝の出勤で問題となるのが満員電車です。どの会社も似たり寄ったりの営業開始時間であることから、多くの人が同じ時間に通勤し結果的に通勤ラッシュに巻き込まれています。東京都市部における朝の通勤ラッシュは長年解消されず、多くのサラリーマンが通勤でストレスを抱えたまま勤務時間を迎えているのです。また、通勤ラッシュはストレスの原因となるだけでなく、混雑を利用した痴漢行為や女性の勘違いまたは虚言による痴漢冤罪などの問題も生み出しています。この記事では、そういったストレスや問題の源である朝の電車の混雑率についてご紹介します。混雑の少ない列車を選んで、少しでも快適な通勤ができるように願っています。
■国土交通省の混雑度の目安とは?
国土交通省は、通勤電車の混み具合に応じて「混雑度」を設定しています。
1.混雑度100%…定員乗車。乗客全員が席に座るか吊革や手すりに掴まれる状態。
2.混雑度150%…広げて新聞を楽に読める程度の混み具合。
3.混雑度180%…新聞は読めるが、折りたたんで読むなどの無理が必要な状態。
4.混雑度200%…身体が触れ合ってかなり圧迫感がある状態。週刊誌程度なら何とか読める。
5.混雑度250%…電車が揺れる度に身体が斜めになっても身動きが取れない。手も動かせない。
ただし、これらの混雑度は毎日しっかりと計測しているわけではありません。各鉄道事業者が年に数回、電車を見て「このくらい混んでいるな」と確認しているだけです。混み具合の目安にはなりますが、観察者の感覚による部分も多くなります。このため、実際に乗車している人の感じ方とは乖離がある可能性が高いです。あくまでも参考程度であることを覚えておきましょう。
■東京圏の主要区間の混雑率
国土交通省の調査によると、平成27年度における主要路線の混雑率は以下のようになりました。
この調査では最も混み合う時間1時間の平均値を算出してあります。そのため、例えば10分間だけ混雑率が250%であっても1時間で平均すると150%となる場合が考えられます。国土交通省の調査では主要路線のうち一部区間の調査しかされておらず、路線の数も限定されてしまっています。そのため、普段使っている路線や駅の情報が記載されていない人もいると思います。
例えば殺人的な混雑で有名なJR埼京線が含まれていません。調査の時間帯も1時間のみなので、調査対象となった時間帯に調査対象の路線の、調査対象の区間を使わない人にとってはあまり意味がない情報になってしまいます。できれば自分の身近な場所の混雑度を知りたいと思うのが人情でしょう。では、自分にとって有益な情報はどのように見つければいいのでしょうか?
■実際の乗客の声を調べよう
自分に近い情報を探すには、実際の利用者の声を聞くのが1番です。NAVITIMEが提供している【NAVITIME 電車混雑リポート】には、その時間帯にその路線を使っている人のレポートが記されています。もちろん個人の主観による感想なので、人によって判断基準が異なります。「立っている人がいるから混んでいる」「吊革に捕まって乗れるから空いている」など、混んでいるのかいないのかわかりづらい側面があるのは仕方ありません。
書き手の周辺や乗っている車両の混み具合しかわからないのも欠点でしょう。しかし、乗客のリアルな声であることに違いはないので、ある程度の目安にはなります。混んでいると言った声が少ない時間帯を狙って通勤すると、かなりの確率で空いている電車に乗れるはずです。また、朝の通勤時間帯にTwitterを見ると、電車の混み具合に関するツイートをたくさん確認できます。些細な信号待ちや急病人の情報もほぼリアルタイムに届くので、必要に応じて活用してください。
■まとめ
使っている路線が混む時間帯を知っておけば、混雑時間帯を避けることで通勤ラッシュによるストレスを軽減できます。また、複数の路線を使える人であれば、より混雑の少ない路線を選択することも可能です。しかし通勤時間をずらすと言っても、後ろに遅らせられる人は極少数でしょう。混雑を避けるには早い時間の電車に乗る必要がある人が大半でしょうから、早く起きて空いている電車に乗るか、睡眠時間を取るかの2択になります。最近では朝に習い事などをする「朝活」ができる場所も増えているので、どうせ早起きするのであれば、いっそのことそういった活動に参加してもいいかもしれません。
なお、稀に会社とは逆方向の列車に乗って混雑の少ない駅まで行き、空いている列車に乗って折り返すという「折り返し乗車」をする人がいますが、これは不正乗車となります。鉄道各社がこの問題に取り組んでおり、折り返しによる不正乗車が発覚するとペナルティの対象となります。絶対に行わないようにしてください。
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