オフィスの騒音問題。改善の為に出来る事とは?

オフィス内での音問題にお悩みではありませんか?

人の話し声や、生活音、OA機器やサーバー、エアコンから発生する音がストレスとなり、業務効率を下げているケースもあります。

この記事では目には見えないオフィスの【音】の問題について解説していきます。

 

 

そもそも騒音とは?

 

騒音とは、一般に大きい音や音色の不快な音など、会話が妨げられたり、勉強や事務の能率が低下したり、休養や安眠を妨害されたりと、生活する上で「ないほうが良い音」「好ましくない音」をいいます。

千代田区ホームページより引用

音の三要素とは?

 

オフィスで発生する会話、音楽、OA機器の動作音、外部騒音などは、通常の音と同じく下記の「音の三要素」で構成されています。

①高さ
高音になる程周波数の数値が大きく、低音になる程小さくなります。ピアノでは鍵盤の右に行くほど高い周波数の音になるということです。人間の耳では3,000Hz(1秒間に繰り返される1波長の数)程度が一番聞き取りやすい周波数で、20Hz~20,000Hzが聞き取れる範囲と言われています。

②大きさ
大きい音ほど振幅が大きく、小さい音ほど振幅が小さくなります。ちなみに、同じ強さの音が二つあると3㏈(デシベル)増加します。一人の拍手が60㏈としたら、二人の拍手は63㏈ということですね。

③音色
音源の持っている固有の音の特徴で、振動数や振幅が同じでも音の聞こえ方は異なります。

 

音問題はどうやって対処するのが正解?

お客様とのオフィス内装の打ち合わせの際に、「会議室や執務室の声を外に漏らしたくない」という音への要望が非常に多くあります。
しかし音というのは空気だけでなく、壁や天井やガラス窓などの材料でも伝達する性質を持っているため「防音に正解は無い」のが現実です。

それでも「本気で音を遮りたいんだ!」という場合はまずは「防音」には二種類あること、そして音に関する性質を知り「どんな音を」「どの程度」遮りたいかを考える必要があります。

 

・吸音
音のエネルギーを材料などに透過または吸収させて、反射させないこと。

・遮音
音のエネルギーを材料などにより遮断し、反対側まで通さないこと。

 

また、吸音性能、遮音性能の特徴として
①多孔質材料の吸音率は、一般に低音域よちも高音域のほうが大きい
②板状材料と剛壁の間に空気層を設けた吸音構造においては、一般に低音域の音を主に吸音する。
③壁体の遮音性能は、音の周波数によって差が生じる
④二重窓は、内側と外側の間隔によって遮音性能が変化する
⑤壁体における透過損失の値が大きいほど、遮音性能が優れている
⑥吸音性能によい壁体は、音を透過吸収しやすいので、一般に遮音性能は良くない
⑦間仕切り壁に吸音率の大きい多孔質材料を用いても、遮音性能の向上は期待できない。

と、音に関しては考慮すべき点が多くて難しいですね。

 

オフィス設計の際に対応すべき防音対策とは?

吸音や遮音の性質を踏まえて、弊社ではお客様のご要望に応じ、以下の対策をしています。

①空調や消防設備のコスト(増設・移設)がかかっても壁やパーティションの欄間(ランマ)を閉じる

②とにかく隙間を少なくする(窓際の隙間を埋め、天井より上の構造体(スラブ)まで壁を設置し、OAフロアなどの床の隙間も埋める)

③基本的に「重い壁」(密度の高い)を使う。二重壁にしたり、高性能遮音壁(吉野石膏ドリーミィ・60シリーズなど)を使うという選択肢もあります。

スチールパーティションでは壁内に吸音性能のあるグラスウールを充当する。

⑤それでも漏れる場合はサウンドマスキングシステム(空調音のようなホワイトノイズを流す方法)の導入を検討する

最近のヘッドフォンにあるような周囲のノイズに対して逆位相の音を流すことでノイズを打ち消す「ノイズキャンセリング」が壁際などに設置できれば理論上は音を消すことが出来ますが、現在の技術では空間のすべての音に対してのノイズキャンセルは実現不可能なようです。

 

 

最後に

 

対策をし尽くしても、それでも音が気になる場合は「オフィス全体に音楽を流す」という裏技もあります。

弊社のお客様でも意外にこれで全て解決することもありますのでご参考まで。

 

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