無線LANのアクセスポイント、高いモノと安いモノの違いは?

無線LANのアクセスポイント、高いモノと安いモノの違いは?

 

「アクセスポイント」一口に言うと何を思い浮かべますか?

写真①

「LANケーブルなしでインターネットに接続する為の基地局」←大正解です。

 

アクセスポイントは、多くのメーカーから様々な価格帯のものが販売されております。では、電気屋さんで売っている1万円前後の安い機種と、それ以上する高い機種では何が違うのか、5点の違いをご紹介いたします。

 

無線LAN ロゴ

無線LAN アクセスポイント

 

違い①周波数帯

対応している機器が多い2.4GHz帯と、電波干渉に強い5.0GHz帯の2つの周波数帯への同時接続や切替接続に対応している機種は、価格が上がる代わりに機器の同時接続において安定した通信が可能となります。

周波数帯による違い

 

より細かく大別すると、大きく以下の5つがあります。

ACは最新の規格の為、対応していないAPも多くありますが、b/a/g/nは殆どの市販製品が対応しています。一般的には2.4GHzに比べ5.0GHzの方が他電波の干渉を受けにくいとされていますが、障害物に弱い為、屋外での使用には向きません。また古いPCですと5.0GHzに対応していない場合があります。

 

項目 IEEE802.11b IEEE802.11a IEEE802.11g IEEE802.11n IEEE802.11ac
周波数帯域 2.4GHz 5GHz 2.4GHz 2.4GHz/5GHz 5GHz
通信速度 最大11Mbps 最大54Mbps 最大54Mbps 最大600Mbps 最大

6.93 Gbps

メリット ほとんどの製品が対応している 混信がない 11bと互換性がある 速度が速い
他規格と互換性がある
速度が圧倒的に速い
デメリット 速度が遅い
混信がある
屋外では使用不可
11bと互換性がない
混信が解消されたわけではない
11bを混在させると速度が落ちる
現在のところ特になし 対応機器が現状少ない

 

違い②同時接続台数が多い

1万円前後のAPは10台以上のPCや無線機器を同時に使用する事を基本的に想定していない家庭用タイプに多いです。PC・タブレット・プリンター等、20台、30台とネットワーク機器が同時接続されることを想定すべきオフィス環境には家庭用タイプは適していません。

また2千円前後の機種はそもそもアクセスポイントではなく【アクセスポイントの中継器】でそれ単体では用をなさないモノである事がほとんどですので注意が必要です。

 

写真②

違い③ローミング機能がある

更に大きな事業所(又は広い敷地)になると、1台では賄い切れない為、複数台のAPが必要になります。その際にそれぞれのAPに接続する為のパスワードを同一のものにすることにより、社内で場所を移動した際に異なるAPエリアだからといってパスワードを入力し直す必要がありません。これをローミングと呼びます。

2台以上のAPで共通のSSIDとPASSWARDを設定し、工場やオフィス等の広い空間を移動しながら端末を使用しても電波をカバーすることができる【ローミング】に対応している機種は高いものが多いです。

アクセスポイント ローミング機能

違い④PoEに対応している

PoEとは(Power over Ethernet)【パワーオーバーイーサネット】の略で、電源を得るのが困難な場所に配置された機器に、LANケーブルを通して電力を供給する技術です。

無線の電波を飛ばすという役割上、高い位置に設置することも多いAPですが、その高い場所にAPの為のコンセントを新設したり、電源配線を引いて来たりすれば、余計なコストがかかるだけでなく、無線LANのすっきり配線メリットが電源配線で台無しなんてことにも。。。

1万円台後半以降の上位機種ならば、PoEに対応した機種があり、PoE HUBから来たLANケーブルを挿せば電源供給されます。

※PoE HUB(通称:給電HUB)も必要となります。

PoE対応 アクセスポイント

違い⑤その他

遠隔で機器設定を行うことができたり、AP自体でVLAN(ネットワークを複数に分ける設定)を切れたり、複数のAP設定を一元管理する為のハードを接続し、例えば悪質なユーザがアクセスしてきた場合に、それを検出して管理者にアラートで知らせたり・・・

写真③

「LANケーブルなしでインターネットに接続する為の基地局」としてのAPですが、以上の様にその機能を紐解いていくと、実は意外と奥が深い機器なのです。

機能面、費用面、実用(見た目)等、選定アイデアの一つに入れて頂ければと思います。

 

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