オフィスの移転には費用面だけでなく、業務が一時的に止まってしまうことや荷物を整理したり運んだりといった作業も発生するため、見える負担だけでなく見えない負担も伴います。
それだけに何度も移転をするわけにはいかず、オフィス移転時にはしっかりと候補地を決める必要があります。
失敗しないオフィス移転先の候補地の選び方で重要な要素は、立地という外的要因と物件という内的要因に大きく分類されます。しかも立地というのは単に交通の便だけでなく企業のブランディングにも関わるため、便利だからどこでも良いということにもなりません。
それではどんな立地が良いのか?どんな物件が良いのか?といった疑問にお答えします。
立地という外的要因を決めるブランディングと利便性
オフィス移転で考慮すべき立地には、「ブランディング」と「利便性」という2つの大きな要素があります。
・ブランディング、イメージアップ
業種によって、そこにあることが似合う街というものがあります。例えば、IT企業であれば恵比寿や渋谷、六本木といった具合です。それと同じく金融関連であれば丸の内や大手町、さらに出版関係であれば本の町である神田・・・といった具合です。
イメージを大切にするような業種、企業であれば、自社がどの街にあると似合うのかという視点を持って候補地を選ぶのが有効です。
・利便性
本来であればこちらが優先されると考える方も多いのが、利便性です。駅から近いということももちろんですが、業種や顧客との距離感を考慮して、通勤だけでなく仕事をしやすい立地条件を考慮するのがセオリーです。
例えばクルマでの営業活動が多い企業であれば、駐車場を十分に確保できることや、主要幹線道路、高速道路の出入口が近いことも優先されるべきでしょう。
物件という内的要因を決めるのは賃料、快適性、そして安全性
内的要因で重視するべき点は、そこで働く人の視点です。もちろんその前提になるのは、賃料とのコストパフォーマンスです。
・賃料
先立つものがなければ何も始まらないということで、賃料を負担する経営陣にとって賃料は非常に重要な判断材料です。社員数がどれくらいなのか、設備などを置いた時にどれくらいのスペースが必要なのかという部分から必要な面積を落とし込んでいきます。
無駄に広いスペースがあっても坪単価の分だけ毎月無駄を垂れ流してしまことになるため、それが経営のキャッシュフローを圧迫する恐れがあります。
そこは、最適な広さにこだわりたいところです。
・快適性
始業から定時まで会社にいるとすると、経営陣や社員はそこで1日の3分の1を過ごすことになります。それだけの時間を過ごすオフィスが快適であることは、社員のモチベーションや業績にも深く関わってきます。
空調やエレベーターといった設備はもちろんのこと、トイレの清潔さや位置、クルマを使うことの多い企業であれば、オフィスと駐車場の距離も重要になります。
IT関係の企業やOA機器が多いオフィスであれば、OAフロアであることや光ファイバー回線をすぐに導入できるインフラが整っているといった要素も考慮しましょう。
・安全性(耐震性・セキュリテイ)
かつてはそこまで重視されてこなかったことかも知れませんが、オフィスの安全性は今や重要な要素です。オフィス荒らしなどへの対策という意味もありますが、女性が働きやすい職場環境であることは人材確保の意味においても優位性を確保しておきたい部分です。
そこで注目したいのが、ビル出入口の防犯カメラやオートロック、警備員の常駐といった入退室の管理です。
また、それ以前の問題として耐震性能や防火性能、非アスベストといった社員の命に関わるような安全面にも配慮を行き届いていると、安心して業務に集中できる環境を整えることができます。
まとめ
一口に企業のオフィス移転といっても、業種が千差万別であることからオフィス移転の価値観や候補地の選び方についても、さまざまな考え方や優先順位があると思います。
しかし、この記事で解説してきた点についてはいずれも普遍的なものであり、どの企業にも当てはまることです。会社の現状をしっかりと分析して何が必要かを洗い出し、それを実現できるようなオフィス移転になることが理想です。
失敗しないオフィス移転は、社業繁栄にもつながる経営戦略です。ここでの情報もいかして、ぜひオフィス移転を成功させてください。
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