パーテーション施工でよくあるご要望の一つが、「できるだけシンプルに、フレームの主張を抑えたい」というもの。
今回はそんなご要望にお応えして、通常“縦使い”するパネルをあえて“横使い”した施工事例をご紹介します。
ちょっとした工夫で、デザイン性と機能性を両立させた好例です。
■ 通常規格とお客様のこだわり
アルミパーテーションのパネルには規格があり、幅(W寸法)は 900mmまたは1200mm が一般的です。通常はこのサイズを縦向きに使って施工します。
しかし今回のお客様は、
「エントランスサイン面に縦のフレームを入れたくない」
という強いご要望がありました。
そこで私たちは、パネルを“横向き”に設置するプランをご提案しました。
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◎ 通常の設置では:
900mm幅のパネルを2枚使用 → 縦フレームが中央に入る -
◎ 今回の工夫:
パネルを横向きにすることで、縦フレームなしのスッキリした見た目を実現!
■ 施工の工夫と現場対応
狭い現場だったため、まずはいつも通り加工場を確保。
職人さんにも協力いただき、限られたスペースの中で丁寧に施工を進めました。
▶ 加工場づくりの様子
■ 施工後の仕上がり
▶ 施工後の様子
パネルを横使いしたことで、縦フレームが一切入らず、エントランスサインを引き立てる美しい面が完成!
お客様にも大変ご満足いただき、その場で追加工事のご相談もいただけました。
■ 横使いの注意点
横使いには美観のメリットがある一方で、以下の技術的な注意点もあります:
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骨材の間隔が固定される
→ パネルの内部に補強が入っているため、横向きにするとW900またはW1200ごとに横骨材が出てきます。 -
サイズ制限あり
→ 通常パネルの高さは H2100mmまで。横使いにしても最大幅2100mmが限度です。それ以上のサイズではフレームが入ります。 -
木目調パネルは流れに注意
→ 木目パネルを使う場合、縦使いと横使いで木目の流れが変わるため、デザイン性にこだわる場合は要確認です。
■ まとめ:柔軟な発想でより良い空間づくりを
パーテーションの“横使い”は、見た目の美しさやサイン設置との相性を考えた工夫のひとつです。
一般的な規格にとらわれず、空間の目的やデザインに合わせて柔軟に提案することが、満足度の高い施工につながります。
「こんな仕上がりにしたいけど、既製品で対応できるのかな?」
といった疑問があれば、まずはお気軽にご相談ください!
一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。