オフィス移転するにあたり「移転場所」は特にこだわるポイントですね。
昔のように「銀座にオフィスを構えれば信用される」という時代は終わりましたが、やはり業種ごとに人気エリアが存在するのも事実。
渋谷はIT、六本木や神谷町は外資、青山や赤坂はアパレル、文京区は教育関連といった具合に、周辺に取引先があるので仕事をしやすい場所を選ぶのも一つの選択肢でしょう。
大切なのは収益性に見合った坪単価物件を選ぶこと
しかし実際について回るのが、「賃料」と「広さ」の関係です。
1坪(3.3㎡)あたりの家賃を「坪単価」と言いますが、この坪単価があまり高いと収益性が下がってしまいます。
賃料は地域によって相場があるので、オフィス移転でエリア選定を始めようという企業様は、候補の区の相場をある程度知っていると良いと思います。
それでは人気のエリアの平均賃料データをご紹介します。次の移転先の参考にして頂ければ幸いです。
港区は100坪を超えると急に高くなる傾向
港区は20キロ㎡以上の面積があり、超人気エリアの青山から田町などの港南地区まで幅が広いのでなかなか一括りにはできません。
しかし、100坪を超えると一気に坪単価が上がる(当然その分ビルグレードも上がる)傾向にありますので100坪以下の企業にメリットがあると言えます。
15~30坪:15,180円/坪
30~50坪:15,210円/坪
50~100坪:16,000円/坪
100~200坪:21,590円/坪
結論:港区はデザインやアパレルで従業員50人以下の企業にお勧め
新宿区は広くても安い物件が多い
今でも都内最大のターミナル駅である新宿。三丁目も含めて多くの路線が走っていますので、都内、都下のどこでも移動しやすいメリットがあります。
ごちゃごちゃしているイメージがありますが、現在は南口の再開発もひと段落し、繁華街も整備されてきていますので比較的落ち着いて来たエリアではないでしょうか。
坪単価の傾向としては、広くても、ビルグレードが上がっても賃料が上がりにくいと言えます。
15~30坪:13,050円/坪
30~50坪:13,100円/坪
50~100坪:14,370円/坪
100~200坪:15,130円/坪
結論:新宿区は移動の多い営業会社であればどんな規模でもお勧め
中央区は銀座を外せば意外にもリーズナブル
日本で一番高い場所がある銀座のイメージですが、古くからの下町には30~50坪の雑居ビルも多くあり賃料も安いので狙い目です。中央区日本橋○○町という住所も業種問わず安心・安全なブランドイメージを構築できると思います。
15~30坪:14,570円/坪
30~50坪:13,930円/坪
50~100坪:14,500円/坪
100~200坪:19,000円/坪
結論:中央区は100坪以下の「東京支店」を作るには最適
渋谷区は小さくても高い、かつ空きも少ない
ITバブルの2000年から今に至るまでITベンチャーが集まり続けています。特に昨今は空室率も低く希望の物件も探しにくい傾向にあります。
現在行われている渋谷駅の再開発は2027年まで。「渋谷駅ってずっと工事しているね」という状態があと10年は続くことになります。正直渋谷区アドレスが欲しい場合は、地下鉄も深く人も多く工事でうるさいというデメリットの多い渋谷駅周辺は避け、千駄ヶ谷や恵比寿を選択することをお勧めします。
15~30坪:17,730円/坪
30~50坪:17,560円/坪
50~100坪:17,700円/坪
100~200坪:24,600円/坪
結論:坪単価と収益性の観点からは、IT企業でも渋谷駅周辺はお勧めできない。
品川区は新駅周辺の泉岳寺がねらい目
新幹線の停車駅である品川は、名古屋・大阪への移動が多い企業から根強い人気があります。ただ、品川駅や大崎駅周辺やは大型ホテルや工場などもあるエリアなのでオフィスビルの数も供給数も限られ空きがありません。
そこで、狙い目は泉岳寺。現在品川駅と田町駅の間に新駅を作る計画が進んでいますので、これから価値の上がる場所になるはずです。
15~30坪:12,100円/坪
30~50坪:13,500円/坪
50~100坪:13,400円/坪
100~200坪:19,300円/坪
結論:新幹線を頻繁に利用する企業は、泉岳寺周辺をチェック。
小規模オフィスから起業するなら豊島区
池袋というターミナル駅でありながら主要5区というカテゴリーに入っていない豊島区。しかし、埼玉方面からの通勤し易さから根強い人気があります。特に安いのはマンション型の小さなオフィス。ワンフロアに沢山の企業があっても気にしないのであれば、検討に入れるべきです。
15~30坪:12,150円/坪
30~50坪:13,400円/坪
50~100坪:15,700円/坪
100~200坪:15,900円/坪
結論:起業をして最初にオフィスを構えるなら豊島区。
まとめ
もちろんどの地区でもビルグレードによっては安い、高いは大きく変動します。
大事なのは、自分の会社に何が必要なのかを考えること。
住所なのか?広さなのか?ビルグレードなのか?駅からの距離なのか?
その点を見極めてから移転エリアや起業エリアを探し始めることをお勧めします。
オフィス移転と内装工事に関するあらゆるノウハウを配信しています。
どうぞお気軽にお問合せください。