「使われていない駐車スペースを活用したい」
「倉庫を新たに確保したいけれど、敷地が限られている…」
そんなお悩みにお応えする形で、今回は駐車場を倉庫にリフォームした施工事例をご紹介します。
倉庫として使えるようにするには、防水・排水・空調・防塵といった多方面の対応が必要です。
その施工工程をわかりやすく解説します。
■ 駐車場 → 倉庫化の施工フロー
今回の現場では、アルミサッシの設置や防塵塗装など、細やかな工夫が多く取り入れられました。
施工の順序に沿ってご紹介します。
① グレーチング(排水用格子)の移設準備
元の位置では、アルミサッシを取り付ける室内側に既存のグレーチングが来てしまうため、
部屋の外側に新しいグレーチングを設置する必要がありました。
そのため、まずは新設位置に合わせて地面に溝を掘る作業を行います。
※この作業は騒音が発生しやすい工程なので、近隣テナントや住人の方へ事前のご挨拶があると安心です。
② 排水対策の施工
新しく設置するグレーチングに水がたまらないよう、既存の排水配管と接続し、排水勾配(少し傾斜をつけること)をつけて排水経路を確保します。
③ 空調の新設(コア抜き)
倉庫には空調が必要となるため、壁面に「コア抜き」(配管用の穴あけ)を行い、新たに空調を設置しました。
④ アルミサッシの設置
倉庫の入り口となる「アルミサッシ」(引き戸)を取り付けます。
ただし今回は、元々の床が斜めだったため、あらかじめ床面を斫って(削って)平らに調整してから設置しました。
⑤ 床の防塵塗装
倉庫の床面には防塵塗装を施しました。
これはドアを開けた際に舞い込む砂ぼこりや雨水の影響を最小限に抑えるための処置です。
⑥ グレーチングの設置で完了
最後に、掘った溝に新しいグレーチングを設置して、全工程が完了。
■ まとめ:使っていないスペースを資産に変える工事
今回のような工事では、排水や空調の確保、床面の調整など、倉庫として使える環境を整えるための丁寧な工程が必要です。
使用されていない駐車場や空きスペースをお持ちの方は、
「どのように有効活用できるか?」といったご相談からでも大歓迎です。
ぜひお気軽にご相談ください!

一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。