今回ご紹介するのは、大正時代に建てられた建物を店舗へとリノベーションした内装工事の事例です。
木造ならではの癖や制約のある建物を、現場での工夫と丁寧な調整で“新たな価値ある空間”へと仕上げました。
■ 施工前の状態と初期解体
建物は築約100年。構造は木造で、天井内のスペースが非常に狭く、床や壁には傾きも見られる状態でした。
ここから解体作業を進め、ほとんどスケルトンに近い状態へ。
■ 解体後の調査と骨組み調整
施工を進めるにあたり、天井・壁内部の構造状況を慎重に確認する必要がありました。
穴を開けては状況をチェックし、現場で柔軟に対応していきます。
また、2階へ続く階段が外部から丸見えの状態だったため、
目隠しとなる間仕切り壁と特大サイズの引き戸を計画しました。
実寸をもとに、何度も調整しながらフィッティングを繰り返しました。
■ 店舗らしさを決定づける“仕上げ”工程へ
ここから、店舗としての雰囲気を左右する仕上げ作業に入ります。
オーナー様のご要望で、木目を基調とした温もりあるデザインを採用。
腰壁には落ち着いた色味の木目パネル、上部には明暗交互のクロスを貼り分け、
さらに真鍮の見切り材を間に入れることで高級感をプラスしました。
■ 完成後の店内と機能的な工夫
家具も木目で統一し、全体の一体感を演出。
天井にはライン照明を使用することで空間がすっきりと見える構成に。
また、ダウンライトは張り紙などを照らせる位置に配置するなど、運用も想定した設計です。
カウンター上部にはロールスクリーンを設置しており、混雑時には隣席との仕切りとして活用可能です。
■ 特大引き戸で叶える空間の変化
もともと見えていた階段は、大きな引き戸と間仕切り壁によってしっかりカバー。
反対側のクロス張り分け面とは対照的に、シンプルで落ち着いたトーンで仕上げました。
■ 外観は一転して“入りやすい”雰囲気に
内装が高級感ある静かな雰囲気であるのに対し、外観はフレンドリーで入りやすいデザインに。
店舗上部にはダウンライトを設置し、夜間も存在感のある印象に仕上げています。
■ まとめ:難しい条件でも、理想の空間づくりをサポート
築年数が長い建物や特殊な構造でも、現場での確認と柔軟な施工対応により、
ご要望に合わせた魅力的な店舗空間をつくることが可能です。
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一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。