オフィス移転の際にまず初めに取り掛かる作業のひとつ「レイアウト作成」
オフィスのレイアウトは本当に様々で、常に正解がありません。
例えば10階建てのビルがあったとして、1階~10階まで全く同じ間取りだったとしても、
そこに入る企業様によって家具の配置や間仕切りの位置は全て異なるかと思います。
そのようなレイアウトを考える上で重要視するべき項目として、
・働きやすい作業動線の確保
・デッドスペースを減らした無駄のないレイアウト
・社員増員時にも対応できる長期的なレイアウト計画
などが挙げられます。
しかし、忘れてはいけない重要ポイントがもう一つ存在します。
それは、
「天井設備の増設や移設をできるだけ少なくすること」です。
照明・空調・非常スピーカー・感知器・スプリンクラーなど、
オフィスの天井には様々な設備機器が最初から設置されているケースが多いです。
(スケルトン物件を除く)
そして、これらの機器の増移設工事は思わぬ出費となり、せっかく良いレイアウトが
作成できても入居工事費用が高額となってしまう、なんてことが起こり得ます。
今回はこのポイントをわかりやすくご説明し、イニシャルコストを抑えるための
レイアウトプランの実例をご紹介いたします。
まずはこちらの白図をご覧ください。
入口付近の三角形がなんとも珍しいというか特徴的な建物でございます。
しかしこの物件のように角が斜めや円形状になっているオフィスビルが意外と多いのも
事実です。
↓お客様のレイアウトのご要望はコチラ。
① 20名前後収容の執務スペース
② 6~8名用の会議室が2部屋(可動間仕切りで区切る)
③ 小さめのサーバールームと倉庫スペース
④ 簡易的なリフレッシュスペース
そしてこの物件の天井設備図がコチラ。
上の4つの要望をただ満たすだけではなく、いかにこの天井設備に干渉しないレイアウトを作成するかが肝となります。
これが簡単なようで非常に難しいのです。。。
試行錯誤の上、完成したレイアウトがコチラ。
①~④の要望を満たしつつ、設備面を細かく見ていくと、2つの会議室にはそれぞれ
空調機が含まれていて、既存照明も各部屋に収まっており、間仕切り建設ラインに一切設備が干渉していないことがわかります。
結果、感知器2台とダウンライト2台の新設工事以外は全てデフォルト配置のまま、
収まりの良いレイアウトが完成しました。
以上のように、レイアウトを工夫することで入居工事のイニシャルコストを削減できることがお分かりいただけたかと思います。
また、入居時に設備をいじってしまうと退去時の原状回復工事費用も当然高額になります。
当社にはいかなる物件相手でも最適なご提案ができる精鋭デザイナーを有しておりますので、レイアウトにお困りの際にはぜひお気軽にご相談ください!!
一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 宅地建物取引士 / 認定ファシリティーマネジャー
千葉大学工学部を中退後、2001年に24歳で株式会社アロワーズを創業。「働く環境こそが生産性向上の唯一の手段」という信念のもと、23年間にわたりオフィスの設計・デザイン・施工をワンストップで手掛ける内装工事業を行っている。